ありふれたせかいせいふく 制作裏話

おはようございます
最近、原神にハマっています。花粉も落ち着いてきて過ごしやすくなってきましたね。でもまだ薄着で寝るとさむいです。

 

 

半年前くらいに制作したMV、「ありふれたせかいせいふく」について制作裏話とかを書いていけたらなって思います。

youtu.be

楽曲はピノキオピーさんにお借りしました。ありがとうございます。お世話になる頻度が結構個人的に高い気がします。
いつか認知されたいな。

 

昨日の夜nekosoraとお互いの制作裏話を紹介しあう通話をやってたらこういう風に書きたくなってきたので書いていきます。

初めてプリプロからしっかり目に組んで、個人的には結構頑張った作品だと思ってます。

作った当時は大学一年生だったので、入学してはじめてのテスト期間もあり、スランプにも入りつつ、プリプロを組み始めたのが5月下旬なのに公開は9月になってしまいました。

でも、それなりに結構頑張って作ったつもりなのでよければ読んでくれると嬉しいです。

 

色について

まずは配色についてです。今回は大きく5色で構成されてます。

・黄色 (#CCC024)

・ピンク (#C75D5D)

・水色 (#72B6C3)

・白 (#EDEDED)

・黒 (#484848)

ですね。まあほんとはもっと使ってます。

その中でもメインになる色は上の三色です。

今回は、色の三原色をベースに考えました。赤、青、黄色という色の三原色は混ぜ合わせると黒になります。後でストーリーについても話すんですが、この黒という色をストーリー的に大事にしたくて、それでこの三色を選ぶことに決めました。でも原色にはしたくないので調整はしました。

背景色が黄色なのはリファレンスに大きく影響されてるからです。

 

ちょっと話がずれるんですが、私Hurray!の大ファンなんですよ!!
まじでもう大好きなんで今回の作品とかマジでどこからリファレンスとったかバレすぎてて恥ずかしい!!

黄色い背景は過去に囚われてるに影響されすぎてる当時の私です。私ひとりで再生回数5000回くらい増やしてるんじゃないかな。大好きです。

 

 

映像について

映像を1シーンずつ見ていくやつをやっていきます。

とは言っても全部はやらないけど

 

 

まずは最初のシーンです

世界観をわかりやすく出すために教室を映しました。今回は尺も短いし前奏もやらないことにしてたので世界観を最初のほうに詰め込むのが大事かなって思いました。

今みると机の角度をある程度バラバラにすればよかったなって思います。

で、トランジションですね

なるべく、綺麗な繋がりを意識して作ってました。
前半は結構全体的に繋がりが綺麗にまとまってます。後半はコンテ描くのが前半と2週間くらい空いちゃったからトランジションとか全然意識できてないからそこは反省してます

 

 

次に、「いじめっこ いじめられっこ」部分です。これは対比がわかりやすいね。

いじめっこ→バットっていう「いわゆる」を作り出してます。アニメ帳だし、結構デフォルメして伝えたかった部分もあるからまあこんな人が現実にいなくてもヨシ!って感じですね。

いじめられっこは机の上に花瓶とハサミが刺さってます。

こういうの漫画で見るたびに「花をわざわざ買ったのかな?」とか思っちゃってました。机の上に文字とか書きたかったんだけど、目が文字に行きすぎちゃうし、これもちょっとデフォルメで文字とか入れるの微妙だったんで入れませんでした。

うまく伝わったかな、、、?

 

 

「大発見」の部分です。
ここはストーリーを進行させてるんですよね。ストーリーはさっきも言ったように後で書くんですが、言わなきゃ誰にも気づかれないようなストーリーだからこれなんのシーンかよくわかんなくなってしまったんです。悲しい。

動きは限界合作6すもるめの動きをリファレンスにしてます。

ちゃんと中に入ってた花がそのへんに置いてあって面白いですね。視線誘導を中央にしてるから誰が見るねんって感じだけど。
「大発見」部分のあとに「カァーーーン」っていう音が入ってるので花瓶を割ることにしました。

物理演算はよくわかってないので頑張って手付けのアニメーションさせました。

それっぽく見えるような気がするのでヨシ!

 

 

「かっこいい子もかわいい子も」部分ですね

ここは正直妥協です。かっこいい と かわいい で何も対比になる、ストーリーに影響するものが浮かばなかったから友達に聞いたら帰ってきた「悪魔と天使の羽」っていうのをそのまま持ってきました。

悪魔の羽から天使の羽へのグリッチも正直納得していないです。でも、、、これは、、、まじで浮かばなかったんだ、、、許してください、、、

 

 

「キミのものだから」部分です。

実は最初のほうにもうミク出てるんですが、あれは設定のために入れたのでちゃんと表情を出すのはここが初です。ミクが悲しいっていう表情をさせたかった。かわいいですね。

ここで作ってるときは表情の大きな要素は目だと思ってたんですが、その後ぽぷりかさんの話を聞いて、表情に一番大事になのは口だと知ります。だからサビとかは結構口が意識されてるかも。

ここもストーリー的な部分です。でもそんなに要素としては大きくないけど。

 

 

「嘘でも本音でイエスのアンケート」部分です

ここはMVっぽくしたかっただけですね。Geometry Nodesで組んでます。
結構いい感じになったと思う。

 

 

「痛いのは嫌だから」

「痛い」でいじめっ子側もいじめられっ子側も両方写しているのは「いじめるのもいじめられるのもきついんだぞ」って意味があります。

いじめる側の何がきついねんって感じですが、「先生だって怒りたくて怒ってるんじゃないんだ!!」とか言い始める教師みたいなことではなくて、なんかこう、いじめるのも理由があるし無意味じゃない、みたいなことを言いたいんです。(語彙力)

理由があるとかいうといじめを擁護する反社みたいになるんですがそんなことはないんです!!ほんとに!!

花瓶は割れてます。誰かが割ったんですかね。まあ先程教室の前で割れてたので何かがあったんでしょう。

 

 

「痛いのは嫌だから逆らえないじゃない」

これも過去に囚われているのMVに出てくるグリッチ的なことがしたかった部分ですね。ぽぷりかさんの映像みてると結構こういうグリッチが色んなところでちょこちょこ出てきます。あとレンズ補正。でもやっぱり本家と比べると見劣りしちゃうな。そりゃそうだよね。ぽぷりかさん大好きです!



「ありがとうもおはようもごめんなさいも全部」

ここは背景がどんどん入れ替わっていますね。最初から順に教室→階段→下駄箱→屋上です。

ここは結構実は言いたいことがあります。

ストーリーも結構影響してくるんですが、とりあえずその辺は後にするとして、

まずミクの動きですね。頑張って手付けしました。地獄だった。めちゃめちゃ参考にしたMMDのモーションはあるんですが、まあそれとはかなり見劣りするクオリティになってしまいました。人体モーションってムズすぎない?頭抱えて首振ってってだけ見せたかったからそれだけアレしといたんだけど右腕ずっとピーンと張ってるし、今思うとやり直したくなってくる。でもこれ作るのに丸1日くらいかかったからもうやりたくはないかなって思う。こういうジレンマってみんなあるよね。ない?

最近、人体モーション悩みすぎてmocopiの導入を検討してます。品切れでまじで手に入らないけど。っていうか今はグラボとかメモリとかモニターとかそっち増やしたくてお金を貯めてるからさすがにそっち優先かな。でも人体モーション使った映像もたくさん作りたいからもっと練習しないとなって感じです。やっぱやりたい映像をやりたいもんね!

あと地味にミクが歌詞に合わせて歌ってます。これは過去に囚われているでも雨とカプチーノにも導入されていた表現ですね。一回やってみたかったんです。

 

で、画像3枚目の下駄箱部分です。靴ないの?とか思わないでください。ちょっとここは入れないことにしました。妥協といえば妥協なんですよね。まあでもストーリー的に解釈が生まれるからいいかなって思って入れてませんでした。あと地味に下駄箱のトポロジーに、何しても消えない斜線が入っちゃって、そこもすごい嫌でしたね。でも動き激しいし視線誘導的にギリギリばれないかなと思って採用。これは完全に妥協ですね。こういうところやぞ。

ほんで画像4枚目。これは屋上ですね。屋上なんて普通は入れないよね。アニメとかだと平然と入ってるけど。それはそうと、花が植えてありますね。いじめられっこの机にあった花は学校内で栽培されてたのか、、、まあいじめてる人にお金は使いたく無いですよね。花って地味に買うと高いですし。

 

あと、二枚目なんですが、コンテが酷すぎて面白いんですよね。


コンテとして成立してません。なんだこれ。画角も何もかも違うじゃないか。なんだ「泣」って。まあでもチーム制作じゃないし私がわかればいいか。

 

 

「懐かしい言葉になる日が来るの」部分。

ここはミクが落ち込んでいるのと、ほんとにつらくて泣いてるのとで2シーン用意しました。カットは分けたけどこの二つですね。

前半はだれもいない教室です。ミクがうつむいています。ここもストーリーの解説で話します。

後半はミクが泣いているシーンですね。アニメ系の涙がうまく表現できました。

この涙のオブジェクトは完全プロシージャルで再現しました。屈折率をうまいこといじって白い部分と透明な部分を分けています。地味にボリュームも使ってますね。ここには貼りませんがノードを見ても難しいことは何もしていません。発想の勝利って感じがしてこれができたときはすごく嬉しかったです。形はシェイプキーで調整しています。

つぎに表情ですね。

このときには口の重要性を理解したつもりになっているので、口もそれっぽくできてます。えらい。今見ても結構よくできてますね。とってもかわいいな。

あとは文字の動きですね。

ここを手書き文字にしたい理由はインパクトだったんですが、今思うと統一感が無いし別の手段にしてもよかったんじゃないかなって思いました。まあでもカッコいいし、作った時は満足してたからギリ、ヨシ!としましょう。

ここはipadで文字を書いて、時間置き換えとマスクでうまいこと手書き風を再現しています。ふたつ書いて前者を採用しました。「言葉」とかは後者のが気に入ってるんですが、これは全体のバランス見て決めました。字は汚いです。黙れ。

文字がこんな感じなのはいつかやってみたかったんですよね。ニアとかの文字、カッコいいじゃないですか。一度やってみたかっただけです。

一度やってみたかった程度の思いなのに、こういう所で全体の雰囲気として合ってもいないのにやってしまっていいのかという話に関してはまあ自主制作だからいいかなってことで採用しました。とは言ってもこれはストーリーとかでも言い訳できないんですよね。「自分の弱さのひとつはこういう所なんだろうなー」と実感させられます。

 

 

「十四歳も四十歳も踊ろう」

ここも雨とカプチーノをリファレンスに受けてますね。ラスサビ前のCメロ部分。今見ても特に文句はないかな。

流れが結構綺麗に出来てる気がします。

うーん、可愛い過ぎる。今回の作品の中で1番かわいい。

 

 

最後のグリッチ(?)

誰が気づくねんって感じですが、寂しいって書いてあります。ここもストーリーに沿って文字を入れてます。このシェイプは何かって話ですよね。これは当時の私が何かしらちゃんとした意図を持ってやっています!でも覚えてません!ごめんなさい!


「みんなを助けて」

ここでは左上から、世界観が崩れていって真っ黒な世界にミクが取り残されていく表現です。限界合作10アオイハルさんがやってたやつの逆ですね。これのリファレンスはなんかのアニメだった気がします。何かは忘れたけど。後ろの崩れていく図形はGeometry Nodesで作りました。ぬびさんに教わりました。実はblenderを始めたころから、ずっっっっっとお世話になっている、私のblenderの師匠です。まじで技術力半端ない。

ここの歌詞がストーリーの軸になって構成されました。

ここは表現としてめちゃめちゃ気に入ってます。影と輪郭が白くなる部分とかは全部After effects 2022のトラックマットでやってるんですけど、ほんとうに頭の体操すぎる。なんなん?まじで混乱しました。あれ視認性低すぎるし、ほんとになんなん?

ノードベースにしてほしいな。blenderのコンポジットでやればよかった。

表情もうまくいきました。カワイイネ---

 

ストーリーについて

散々ためてきましたが、もうストーリーが見えてきたかな、、、?

というかストーリーが映像で見えてなきゃいけないのよほんとは。

ストーリーとしては、「本当にひとりの世界」を目指しました。

この世界線で、本当にミクはひとりなんですよ。

ミク以外の登場人物もいるはずなんです。いじめっことかいじめられっことか、クラスメイトとか。でも誰も出てきません。ミクは本当に一人ぼっちで、寂しいんです。

クラスの中で、いじめてもいじめられてもいない。立ち位置として、かっこいい子というわけでもかわいい子というわけでもない。(いつでも初音ミクはかわいいけど。)

そんな世界線が描きたかったんです。

設定として、花瓶はミクが割りました。誰かに相手してほしかったから。でもそれもまた「誰かが割ったもの」としていじめられっこの席の上に置かれます。

ミクだけの教室は、移動教室とかで誰もいなくなった教室をあらわしています。誰もミクを待ってくれないんです。

階段の踊り場も、下駄箱も、誰もいません。本来なら人がいてもいい場所なのに。

屋上が入れる学校なら絶対屋上はだれかいると思います。でも誰もいません。

ミクは寂しいんです。だから、ミクの心の中は真っ黒な世界に一人ぼっちなんだぞってことで、「みんなを助けて」のあの演出を採用しました。
自分じゃなくて、おかしいのは皆なんだと思いこんでいる。そんなミクの世界線でした。(ここで「思いこんでいる」と書くとミクが間違っているようにも感じますが、どちらに正しさがあるかはここでは定めていません。)

だから常に浮かない顔をして、教室でもいつも下の方を向いて、椅子に座ると落ち込んでいたんですね。

結構がんばってストーリー考えたから、もっと見てわかるような映像にしたかったな。

多分プリプロが甘い。今後はもっと頑張っていきたいですね。

 

 

おわりに

いかがだったでしょうか。はじめてこんな制作裏話を書きました。

まあ最近Twitterのサブ垢に解説になっていないコンポジット解説を載せたのですが、あれは特に設定とか世界観とか載せてないのでね。
いやー、書くの難しかった。うまく伝わるかな。まあ質問とかあれば受け付けてます。いつでもDMまでお越しください。というか書きすぎた。6200文字だって。意外と書けるもんだなあ。

 

それはそうと現在、何件か頂けているご依頼をこなしながら、夏に投稿したいという思いで大きめの自主制作を作っています。結構個人的に好きな曲を使って、またストーリーを組んで、頑張ってます。今作よりはプリプロもちゃんと組んでるし、まじで頑張るぞ!!の思いです。

次回の目標は「一枚絵としてのクオリティを上げること」ですね。印象に残るわかりやすい力強さと良い演出、細かな情景描写までしっかりできるのが理想です。

また公開されて半年くらいしたら制作裏話書くんじゃないかな。そのときはぜひまた読んであげてください。

これを読んでの感想とかもくれると嬉しいです。泣いて喜びます。

 

これからも紙雨楓をよろしくお願いします。